1.教授からのお叱り
ブラジル留学試験ギリギリ合格だった僕は研究室で教授から叱られました。
「もっと本気にならなければダメだ。桑子君は自分に甘い。」
今まで頑張ってきたつもりだったのですが、やり方、時間配分、戦略など見直す点が数多あることを認識しました。
2.ブラジル、現地に着いて一念発起
ブラジル留学中はポルトガル語をひたすら勉強しました。日本に住んでいる場合、専念するべきはいかに会話練習を取り入れるかですが、現地では異なります。逆に毎日一日中ポルトガル語実践ですので、アパートにいる時はむしろ文法や単語を増やすことを意識していました。
ブラジルに着いた時、私が実際にきちんと使えたのは「おはよう」と「こんにちは」、そして「こんばんは」の基本挨拶だけでした。Poder(英語でいうCan)やQuerer(英語でいうWant)なども全く知らない状態でした。留学ということで友達のほとんどは大学生だったので初めはなんとか英語で意思疎通を取っていました。
外へ出る時はいつも電子辞書とノート、鉛筆を持参していました。誰かと会話した際、分からない単語に出くわしたら後ですぐメモできる・調べられるようにです。もう捨ててしまったらしく写真がないのですが、いつもボロボロの紙が右ポケットに入っていました。
大学内でポルトガル語の授業はあったのですが進みが遅かったのでいつもカフェや自宅にて自習をしていました。
3.毎日のルーティーン
〇ルーティーン
僕が言語力向上のために毎日行っていたのは次の3つです。
- 日記
- 音読
- 活用暗記
何か目標を達成するためには言語でなくとも毎日の積み重ね、つまりルーティーンが大変重要になってきます。
まず日記。日記は留学先の教授にアドバイスされて始めました。毎日大体ノート1ページです。左側に書いて教授か友達に添削してもらい、右側にもう一度書き直します。それを約1年間続けました。初めは語彙や文法の知識が少なく大変だったのですが半年が経つくらいから次第にスラスラ書けるようになってきて帰国前には日記を書くのが楽しみの一つになっていました。
次に音読です。音読を始めたのは”悔しさ”からでした。ブラジル文化と言う授業があったのですが、その授業は少人数制で日本人6人に対して先生1人でした。授業の始めに生徒が順番でテキストを読むのですが、みんなスラスラ読んでいくのに対し僕はいつもつっかえつっかえで申し訳なさと不甲斐なさを感じておりました。
すぐには効果は出ないと分かっていましたが、1年後には上達しているかなと淡い期待を抱いて毎日テキストを音読するようになりました。
最後に活用暗記。よく言語学習はこう例えられます。英語はマラソン、ロマンス言語はハードル走。
ロマンス言語、つまりポルトガル語やフランス語、イタリア語などは基礎語彙は約2、3000で良いのですが動詞の活用が多いので途中で挫折しやすいのです。その為ロマンス言語を習得するには活用暗記をマスターせねばなりません。
覚えるコツは分からないのですが、とにかく毎日口に出して暗記だと思います。うろ覚えですが、かの有名なコロンブス か他の航海士はラテンアメリカへ行く際に船の甲板から大西洋に向かって大声でポルトガル語の動詞活用を発していたようです。
日常生活で頻繁に使用する動詞ほど不規則である場合が多いのでそこも厄介ですね。
〇他、4技能について
リーディング
学校で配られるテキストをひたすら読んでいました。留学後期くらいになってくると段々文章が読めるようになってくるので、CEBOと呼ばれる古本屋(中古のCDやDVDも売っている)に足を運び子供向けの安い本を買っては読んでいました。また留学前に教授より、「留学終了時に現地の新聞が読めるようになって来れたら良い感じ」と助言を頂いていたので、現地紙ロンドリーナ新聞をほぼ毎日購入し悪戦苦闘しつつも読んでいました。
リスニング
東京外国語大学が提供する言語モジュールなるものをずっと見ていました。あとは歌を聞いたりYouTubeでブラジルのニュースを聞いたりしていました。YouTubeのEasy Brasilian Portuguese もおすすめです。
ライティング
ライティングはひたすら日記です。鬼の継続です。そしてライティングは誰かに添削してもらうことが重要です。私は主に3つの媒体、「Lang-8」、「italk」、そして「Hello Talk」を使用していました。これらは無料で添削してくれる上に他の国の人たちとコミュニケーションが取れるので友達を作れたり言語を教えあったりと単純に楽しいです。
スピーキング
現地で生活していたため日常的にポルトガル語を話していて、スピーキングに関しては特に意識していなかったのですが、口の筋肉をポルトガル語に慣れさせるトレーニングは行っていました。
例えばシャドウイングや歌を歌ったりです。またLやR、Jなど日本人にとって難しい発音も毎日少し発音練習をしていました。
あらかじめトピックをいくつか決めておいてサイコロの出た目の話題に関する話をポルトガル語を用い即興でする、ということもやっていました。
現在はブラジル3年目です。英語と違って小学生の時から触れているわけではないので、そこまで伸びてはいません。しかしそれでも諦めず続けていきたいと思っています。モチベーションはやはり”楽しい”という感覚です。無理に詰め込み過ぎず、初めてポルトガル語に出会ったときのあの感動を忘れないようにしていきたいなと感じております。